《風俗ガイド》優しく接してあげれば次回はワンラク上のサービスブログ:01月07日
朝早く、始発の電車に乗った。
定期健診の為である。
いつもなら旦那の車で、付添ってもらうのだが、
わしが「思い切って一人で行ってみる」と言い張って、
久しぶりに電車に乗った。
およそ二年ぶりの乗車に
乗客の姿が新鮮に映る。
携帯でメールする若者、
眠そうにうつむいている学生…
そして、
わしの前にはサラリーマンが二人。
上司らしき人が若者に人生訓を言って聞かせている。
「朝からお気の毒に」と同情しつつ、
聞くともなしに聞こえてくる会話を耳にしながら、
ふっと、わしの左手に巻かれた紅白の糸が目に止った。
これは、サッカー好きのむすめが巻いてくれたミサンガである。
あるの晩こと…
居間で新聞を読んでいると、
「母さん、ちょっと手を出して」とむすめが言った。
いつもは反発ばかりしているむすめの言うこと、
また、何かのおねだりに違いないと、
恐る恐るわしは手を出した。
すると、むすめは
紅白の糸で編んだものを
わしの手に結びつけた。
「なあに?これ」と聞くと、
「絶対にほどいたり、切ったりしたらダメよ!
願いが叶わなくなるから」とむすめは言う。
聞くと、これはミサンガ(プロミスリング)と言って、
お守りのようなもので、いろいろな糸を編んで作る…
これに願いを込めて結びつけ、
自然に切れると願いが叶うというものらしい。
そういえば、
むすめの手にも足首にも
大小様々なミサンガが結びつけられている。
「母さんの病気が治るように、わしが編んだの。
色もおめでたいように紅白にしたよ」と得意そうに笑った。
いつもはウザイとか最悪などと
反抗期真っただ中のむすめの、
屈託のない素顔にふれた真夜中の出来事を想い出していた。